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適格退職年金制度廃止の影響
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確定給付企業年金法の内容で特に中小企業にとって重要なのは、適格退職年金が廃止されるため、新型の企業年金を含む他の制度に移行するか企業年金を廃止するかという、二者択一を迫られることです。
なんだ、単に他の制度に移行すればいいだけの話だと思ったら大きな間違いです。
新型の確定給付企業年金や確定拠出企業年金に移行するためには、原則として移行時点において適格退職年金に積立不足(過去勤務債務)があってはいけない、という厳しいルールが課せられています(ただし、確定給付企業年金への移行の場合は、特例措置が認められています)。
さらに、新型の確定給付企業年金制度に移行する場合は、従来の適格退職年金に比べて積立基準や財政運営基準が厳しくなっているため、結果的として中小企業にとっては負担が重くなることが予想されます。 |
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それでは、どうすれば良いのでしょうか?
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●〈選択肢1〉厚生年金基金へ移行する
そもそも、厚生年金基金を単独(1つの企業)で設立するには 500人以上の加入員が必要です。中小企業での設立は連合設立 (親子会社が共同で設立)の場合で800人以上、総合設立(同種 同業で設立)の場合は3,000人以上と人員数が多くなければ導入 できません。さらに、昨今では基金の財政が困窮し解散も相次いでおり、これから厚生年金基金へ移行するのは現実的な選択では ないと思われます。 |
●〈選択肢2〉確定給付企業年金(規約型)に移行する
確定給付企業年金は、現状の企業年金について受給権の保護等を目的として創設されたものです。特に、規約型年金は適格退職 年金を移行するためのスキームとして考えられており、適格年金の廃止による場合には、制度設計上さまざまな特例が設けられて います。
まず、積立不足(過去勤務債務)については、法的にも特にそ の解消は求められておらず、積立不足の状態であっても積立金そのものを移換すれば良いものとされています。また、移換後の積 立不足についても、適格退職年金での未償却の過去勤務債務があれば、本来20年となる償却期間が30年に延長されるなどの特例 措置があります。
したがって、多くの適格退職年金契約は、このスキームに従って、規約型年金へ移行するものと予想されます。 |
●〈選択肢3〉確定拠出年金(401k)に移行する
この場合のポイントは、適格退職年金が退職金をベースとした確定給付型のしくみであるのに対し、確定拠出年金(401k)は確定拠出型であるという、両者の性格の違いです。適格退職年金の廃止に伴って、資産運用の責任をすべて従業員に持たせる確定拠出型への移行は、理屈のうえで少々無理があるかもしれません。確定拠出年金へ移行する場合には、まず退職金制度をポイント制(16ページ以降参照)など1年ごとの清算型として、各人の拠出額を確定させたうえで行うのが良いでしょう。 |
●〈選択肢4〉企業年金制度を廃止する
適格退職年金は退職一時金・年金の積立機能を持つ制度であるため、別の方法で積み立てることができれば、適格退職年金を廃止して清算することは可能です。しかし、適格退職年金を解約した場合は、それまでの積立金が従業員に払い出されてしまうので、 このお金の処理方法について検討しておく必要があります。もちろん退職金の前払いとして処理することも可能ですが、従業員には一時所得として所得税が課税されてしまいます。 |
●〈選択肢5〉中小企業退職金共済制度(中退共)に移行する
確定給付企業年金法により、年金制度間の移行が認められるようになりましたが、なかでも適格退職年金の資産を中退共へ移換できるようになったことは見逃せません。
適格年金の廃止に伴う措置であるために、制度間の連携や移換される資産の読み替え方法を理解しておかなければなりませんが、中退共への移行なら企業は毎月の掛金だけを管理しておけば良く、また従業員にとってもポータビリティーのあるしくみ(転職先が中退共に加入していれば継続できます)に移行できるため、 メリットは大きいといえるでしょう。 |
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